松坂桃李主演の『娼年』は昨年公開され、R指定では異例となる応援上映も企画されたほどの支持を集めました。
しかしながら、日本の主だった映画のレビューサイトを見てみると、Yahoo、Filmarks、映画.comなどで、とても多くのレビューを集めながら、なんと全て評価は5点満点中の3.2点と共通しています。
普通のよりちょっと面白い映画だった、というよりは、面白いと思う人、面白くない、むしろつまらないと思う人、同じシーンを見ても笑う人、泣ける人と同じものを見て感想がとてもバラけているのも作品の特徴といえそうです。
ここでは、皆さんの声を紹介しつつ、どのような映画なのかを立体的に見ていきましょう。
娼年の感想!面白くない・つまらない派の声
まずは、結構多かった「面白くない・つまらない」派の声を紹介します。
- エロさを期待してきたらリアルなのでエロくなかった、残念
- 5分に1回くらいセックスしてる割に色気がないのでつまらない
- 松坂桃李主演のAVってことなの?それにしてはエロくない
- ストーリーが単調、男娼が珍しいだけで、女性の娼婦としたらありきたりの話
- 感情移入ができる人物がいなかった、そもそも主人公が全然平凡じゃない
- 見てて気づいたけど、そもそも石田衣良の小説が苦手だったから、面白くなかった
- 松坂桃李の体がもうちょっと絞っていて欲しかった、期待はずれ
- 御堂静香役は舞台版の高岡早紀のが説得力があった、真飛聖には無理かな
- セックスの時だけ大声で、普段の声は小さいのには困る
傾向としては、以下の3つにまとめられるかと言えます。
- エロさを期待したのに、期待していたようなエロスが供給されなかった
- ストーリーや登場人物そのものがつまらないと感じられてしまった
- 役者陣の演技やキャスティングに問題ありと感じた
確かにこのように初見時に感じたとしたら、面白くないという感想になるのも無理がないですね。
娼年の感想!面白い派の声
応援上演も開催されるくらいの支持を集めた作品なので、面白い派の声も当然たくさんあります!
- とにかく松坂桃李はじめ、役者たちの渾身の演技が凄かった
- 松坂桃李が、いわゆる若手イケメン俳優の枠から完全に頭一つ抜けた感じがする
- 無気力な青年が目に力が宿っていく過程がすごく良かった
- 主人公の人柄が良いせいか、後味が意外によくて驚いた
- 愛の本質は何かが描かれている作品、エロさがテーマではない
- セックスというよりコミュニケーションについても物語、そこが良かった
- 女性たちとのエピソードが画一的でなく、どれも考えさせられた
- 三浦大輔監督の過去作『愛の渦』や劇団ポツドールの舞台と似た雰囲気を感じた
- 日本映画の性描写の一つのエポックメイキング、娼年以前とは別の次元となった
面白かった派の声としては、まとめると下記のようか感じでしょうか。
- 松坂桃李はもちろん、女優たちの脱ぎっぷりや体当たりの演技に感銘を受けた
- 映画のストーリーが持つテーマ性や作品の雰囲気などに心惹かれた
- 日本映画における位置付け、また映画監督としての手腕を評価
同じものを見ても、何に着目して見るか、どういう感想を持つかは本当に人それぞれですね。
娼年の感想!笑える・笑った・エロ過ぎて笑うの声?
出演者の一人である大谷麻衣(ヒロミ役)のご本人のインスタグラムでも「笑っていいの?」「コメディなの?」と聞かれるとあるだけあって、笑える、という感想も多いのが特徴の一つとも言えます。
- エロすぎて突き抜けた結果、むしろ喜劇の様相を呈している
- 途轍もない性癖を持った人がたくさん出てきて笑わせにきてると思う
- 昔、イタリア映画でよくあったような艶笑コメディ
- リアルを追求した結果なのか、現実のセックスの間抜けさが浮き彫りになってた
- 三浦大輔監督の作品はエロと笑いが混在している、今作もそうだった
三浦大輔監督と著述家の湯山玲子との対談の中で三浦監督のこんな発言がありました。
湯山 だって、前戯のシーンにリアルな愛撫サウンドが入ってますからねぇ。女性にとっては「無いこと」にしたい部分。自分の身体の音は聞きたくないですから。でも、舞台のときも大音響、映画でも大音響でしたよね。主人公のコールボーイが、精液を噴水のように吹き上げるシーンなんか、もう、ロマンチックぶち壊し。私は大笑いしました。
三浦 僕自身の性に対する価値観として、まぬけさや滑稽さがないと恥ずかしい。美化しすぎると居心地が悪くて、どうしてもそういう要素を入れてしまうんですね。それは男目線だし、女性には性をちゃかしていると捉えられえると思っていたんですが、おおむね楽しんでいただけたようで安心しました。
引用元:湯山玲子の“現代メンズ解析” 人生に必要なのは“都合のいい人間” 性を描き続ける映画監督・三浦大輔が語る「現代のモテる男」 朝日新聞デジタル
そういう意味では、笑えたという感想は、三浦監督の狙った通りなのかもしれませんね。
娼年の感想!泣けるという声も!
その一方で、思わず泣いてしまったという声も、こちらの声も紹介します。
- 主人公含め、登場人物みんなが愛おしくて、笑えて、泣けて、いろんな感情になった
- しっかり「性」に向き合って自由にな気持ちになったら涙が出てきた
- 主人公が成長する姿になぜか涙が、応援したい
- 死にそうな夫のために妻と松坂桃李がセックスするシーン、夫婦が泣いてるの見て笑ってたら、もらい泣きもしてたよ
- ボーイズクラブのメンバーや静香とか咲良とか、体を売る側のストーリーや傷を感じ取って泣いちゃった
登場人物のバックストーリーに共感したり、成長する姿に応援の涙をしたり、涙する理由は様々ですが、悲しさの涙というよりは心を揺れ動かされて思わず泣いてしまう声が多かったようですね。
映画で感情を揺さぶられることは、映画を観る醍醐味の一つ、満喫した映画体験と言えるのではないでしょうか。
娼年は面白くないor面白い?感想は笑えるし泣けるのかみんなの声まとめ
映画『娼年』を観た感想について、面白くない派、面白い派、笑えた人、泣いてしまった人など、皆さんの声をご紹介してきました。
同じものを見ても、エロすぎて萎えた、という人もいれば、エロくなくて残念だった、という人もいるように、感じ方は千差万別です。
『娼年』の上映時間、1時間59分の中に何を感じ取るかはあなた次第、面白いのかそうでないのか、はたまた笑えるのか泣けるのか、気になる方は、ご自分の目で確かめてみてはいかがでしょう。
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